突然のお子さんの不登校。「親としてどう対応してあげたらいいのだろう?」と悩む親御さんは多いものです。
今回は、不登校のお子さんへの適切な対応を説明します。ぜひ参考にしてください。
目次
不登校のお子さんへの対応は?
不登校のお子さんに、親としてどう対応したらいいのでしょうか。具体的に、以下の対応をしてあげてください。
家のなかに安心できる居場所を作る
家のなかに安心できる居場所を作ってあげることをおすすめします。実は居場所を作ることで、子どもが精神的に安定するという研究結果もあります。
落ち着いて考えたり休んだりできるよう、1人になれる部屋を用意してあげましょう。
ただし1人部屋を与えると、親御さんからの働きかけがしづらくなります。子どもが孤立感を頂かないように、体調を気にかけたり食事をすすめたり、いつも通りの声かけは行うようにしてください。
学校は休んで良いと伝える
お子さんは学校を休んでいても、頭では「学校に行かなければならない」と考えています。
わかっていても行けない、そんな辛さを抱えたうえで、学校に行きたくないと訴えているのです。
辛さを理解したうえで、お子さんの前では学校に行きたくない気持ちを受け入れてあげましょう。
学校に行って欲しい親御さんの気持ちはもちろんよくわかります。しかし行かなくてはならないとわかっているのに行けない、それだけの理由がお子さんにはあります。
「学校を休んで良いよ」と伝えてあげることで、お子さんの辛い気持ちが和らぐでしょう。
子どもの考えを否定しない
不登校のお子さんへの対応では、子どもの考えを否定しないことも大切です。
もしかしたら家でのお子さんの様子は、ゲームやYouTubeを見ているばかりかもしれません。親御さんとしては、このままずっと同じように過ごされたらとあせる気持ちもあるでしょう。
しかしその心配をなんとか抑え、まずは見守ってあげてください。
不登校とは、心のエネルギーが切れてしまった状態です。エネルギー切れになるまで頑張り、やっと休憩地点に辿り着くことができた、それが不登校の状況です。
失ったエネルギーを取り戻すには、十分な休息を取らなければなりません。
ゆっくり休めるよう、行動を否定することは避けましょう。
またお子さんの行動を否定せずにこちらも興味を持つと、そこから話も膨らみます。「ゲームの話をしていたら、いつの間にかお子さん本音を話してくれた」ということもめずらしくありません。
これまでと接し方を変えない
これまでと接し方を変えることはやめましょう。
不登校中は不安を感じやすいものですが、過剰に優しくしたり言動に反応したりすると、お子さんはさらに不安になります。
親御さんに対して申し訳なさも感じていますから、気を遣われるほどお子さんは自分を責めてしまいます。
ぜひこれまで通り、接してあげてください。
不登校中は親もケアが必要
お子さんが不登校になると、親御さんは学校とやり取りしたり子どものケアをしたり、さまざまな対応に追われます。
つい自分のことは後回しになりがちです。不登校中は親御さんもケアが必要だと心得ておきましょう。
もしお子さんの不登校が受け入れられないようなら、「子どもの不登校が受け入れられない自分がここにいる」と自分の気持ちを受け止めてあげてください。
毎日学校のやり取りで辛い場合は「学校のやり取り、辛いよね」と自分に声をかけてあげましょう。
また、積極的に第三者に頼ることも大切です。
児童相談所や市の子育て担当課、不登校相談窓口など無料で相談できる場所は各自治体にたくさんあります。
「私がなんとかしないと」と自分だけで抱え込むのではなく、利用できる機関をどんどん活用して相談していきましょう。
不登校はさまざまな要因が絡み合って起こります。だれでも起こる可能性があることですから、決して恥ずかしいことではありません。
不登校を知られたくないと隠さず、相談していきましょう。
そもそも不登校は甘えなの?
不登校のお子さんへの対応について考えたときに、「そもそも不登校でいるのは甘えなのだろうか?」と考える親御さんは少なくありません。
実際、不登校は甘えなのでしょうか?
知っておいて欲しいのは、「不登校は、怠惰による甘えではない」ということです。
一般的に甘えというと、我慢や努力を嫌って諦めてしまうイメージがあります。
自分の弱さで我慢や努力を嫌うのは、「怠惰の甘え」なのかもしれません。
しかし不登校のお子さんの甘えは怠惰の甘えではなく、「家族に対する甘え」だと理解しましょう。
お子さんは、「辛いことに気づいて欲しい」「家族に自分を守って欲しい」という親御さんや家族に愛情を求める意味での甘えを持っています。
親御さんや家族に愛情を求める甘えは、決して悪いものではありません。
信頼関係があるからこそ出るもので、怠惰による甘えとは全く別のものです。そのことも理解した上で、お子さんに対応してあげましょう。
学校に戻ることだけがゴールではない!
ここまで、不登校のお子さんへの対応や不登校は甘えではないことを確認してきました。
お子さんに適切な対応をすることはもちろん大切ですが、重要なのは、「学校へ戻ることだけを目標に対応しない」という点です。
不登校のお子さんのゴールは、必ずしも学校に戻ることだけではありません。
実際に文部科学省も、2019年10月に不登校への支援の方針を次のように決定しています。
【不登校児童生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること。】
引用元:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
これまで不登校というと、学校に戻ることだけを目標にする傾向にありました。
しかし現在は、文部科学省も学校に戻ることだけが全てではないと方針を決めているわけです。
大切なのは通知でも書かれているように、今後についてお子さんが自ら考え、自立を目指すことでしょう。
学校に戻ることのみに捉われず、長い目で自立を見守るようにしてください。
まとめ
今回は不登校のお子さんへの対応を見てきました。文中でも述べたように、不登校はだれでも起こる可能性があります。
お子さんの怠惰による甘えでもなければ、決して親御さんのせいでもありません。
現在、不登校への考え方が大きく変わっています。
昔のようにマイナスなイメージも随分減ってきましたし、理解してくれる人も多くいます。
親御さんの関わりももちろん大切ですが、周りと一緒になってみんなでお子さんに対応していきましょう。
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